カンボジアではポル・ポト政権時代(1975年4月~1978年12月)に、大勢の無実の人が刑務所に捕らえられ、大量虐殺されていました。
首都のプノンペンにある「トゥールスレン(無実の人が捕らえられていた刑務所)」と「キリングフィールド(大量虐殺がおこなわれていた場所)」では、上記のようなカンボジアの悲しい歴史を見ることができる場所です。
キリングフィールドはプノンペンの市街地から約15km離れたところにあるので、トゥールスレンと一緒になったツアーでいくのがおすすめ。
今回は、僕が現地ツアーに参加して、トゥールスレンとキリングフィールドを見に行ってきましたので、ご紹介したいと思います。
プノンペンに行かれることがあれば、ぜひ行ってみてください。ただし、悲惨すぎて、テンションが下がる可能性もありますのでご注意を。
プノンペンの「トゥールスレン」と「キリングフィールド」の現地ツアー観光
プノンペンの「トゥールスレン」と「キリングフィールド」の現地ツアー観光を詳しく紹介していきます。
現地ツアーの予約方法
トゥールスレンとキリングフィールドのツアー予約は現地のホテルで申し込んだり、街中にある旅行代理店に直接申し込むことで、予約できます。
予約には語学力が必要となるため、あらかじめインターネットで予約しておくのが便利です。
ただし、料金が高いので、現地のホテルか旅行代理店で申し込むのがおすすめ。
僕は自分が宿泊したプノンペンのホテルで、チェックイン時にフロントに置いてあったチラシで「キリングフィールドとトゥールスレン」ツアーを偶然発見しました。
ツアーの開始時間は午前は8時、午後は13時からの1日2回開催のツアー。ホテルのスタッフに翌日の午前8時からのツアーを予約してもらいました。
ちなみに、僕の予約していたホテルはホテル ジング プノンペン(Hotel Zing Phnom Penh)。
綺麗なホテルです。料金は2000円ほどでダブルの広い部屋に泊れます。
ツアーの料金・内容
僕の申し込んだツアーは、ホテルへの送迎付きでトゥールスレンとキリングフィールドに行くツアーで、ペットボトルの水が1本付いて、US25ドルでした。
ツアーに施設の入場料は含まれておりませんので、施設入り口で、別途支払う必要があります。
入場料はトゥールスレンがUS5ドル、キリングフィールドがUS3ドルです。
ツアーに日本語ガイドはついていません。バス内で添乗員スタッフの歴史の説明とビデオでの説明がありますが、すべて英語です。
トゥールスレンはUS3ドル、キリングフィールドは無料で、日本語の音声ガイドの貸し出しも行ってます。
音声ガイドがないと、「当時の状況や様子、どこで何が行われていたのか」などがわかりません。ぜひ借りましょう。
ちなみに僕が参加したツアーは大型の50名くらい乗れるバスでしたが、観光客でいっぱい。
欧米人が8割、中国人が2割くらいです。日本人は僕だけでした。
トゥールスレン
プノンペンにある「トゥールスレン」は元々は高校の校舎でした。
現在は建物そのままで、トゥールスレン博物館となっており、刑務所だったときの様子を伝えてくれます。
ポル・ポト政権時代(1975年4月~1978年12月)、トゥールスレン刑務所は無実の罪に人々を収容するための刑務所で、当時は「S21」と呼ばれていました。
トゥールスレンは生きて出られない収容所で、総計14,000~20,000人が収容されたと言われ、そのうち生還できたのは8人のみ。
当時、食糧確保のため、ポル・ポトは都市部の人々を農村へ移し、強制労働をさせました。
その中で、「学生・医者・教師・技術者」は、国の再興を手伝うという名目でトゥールスレンに連れてこられました。
しかしながら、それは表向きの名目。
実際にはポル・ポトは「頭がいい・賢い人はポル・ポト政権の妨げになる」という思想のもと、トゥールスレンに収容された人を拷問・虐殺していきます。
トゥールスレンが死体でいっぱいになると、処刑場をキリングフィールドに移していきました。
※子どもは「反抗せず、洗脳できる」という理由で拷問・虐殺の対象にはなってません。
よくよく考えてみると、プノンペンの町中で見かける人って若い人ばかりで、年配の方はあまり見ません。虐殺されていたからなんですね。
以下の画像は、入ってすぐ左手にあるA棟。こちらは当時、尋問室として使われていました。中に入ると鎖につながったベッドがあります。
外壁は有刺鉄線が張られており、逃げることができません。
尋問中の規則。この規則がむちゃくちゃなんです。
規則をいくつか訳してみました。信じられない内容です。
・質問された事の話をそらしてはならない。
・質問に対し問い返し、時間稼ぎをしてはならない。
・電流を受けている間、一切叫ばないこと。
・何か命令を受けたら、何も言わずにすぐにやれ。
・規則が守れなければ、何度でも電線による鞭打ちを与える。
・規則を破った場合、10回の鞭打ちか5回の電気ショックを与える。
以下の画像は、拷問場。人が吊るされていたのです。見てるとつらくなります。
トゥールスレンの中央付近から撮りました。慰霊碑があります。
US3ドルを追加すると、日本語オーディオガイドを借りれますのでぜひ借りましょう。借りずに現場だけを見ても、何が何だかよくわかりませんので。
ツアーではトゥールスレンは1時間しかなかったので、オーディオガイドを全てじっくり聞くことはできませんでした。
ガイドをちゃんと聞きながらゆっくる見るには1時間30分~2時間は必要です。
そして、建物の中は写真撮影は禁止されていますのでご注意を。
トゥールスレン
入館料:US5ドル(オーディオガイドのレンタルはUS3ドル)
入場時間: 8:00~17:00
キリングフィールド
キリングフィールドはプノンペンの南西約15kmのチェンエク村にあります。
ポル・ポト政権時代(1975年4月~1978年12月)、トゥールスレン刑務所に収容された後、人々はここに運ばれ、処刑されました。
その数はなんと200万人~300万人と言われています。総人口800万の内ですから3~4人に1人ですね。
遺体がキリングフィールドの至る所に埋められ、後に掘り起こされました。プノンペンのキリングフィールドには掘り起こされた後の大きな穴が多く残っています。
以下の画像はキリングツリーと呼ばれる木で幹に首を打ち付けて虐殺をしていました。
木のするどい皮でも虐殺をしていました。
キリングフィールドには虐殺された人々の遺骨を安置した慰霊塔もあります。刺激が強いので、お子さんは入らないほうがいいかもしれません。
中には頭蓋骨が安置されています。
こういった虐殺場所はプノンペンだけでなく、カンボジア全土に300カ所以上確認されています。
キリングフィールドでは、無料で日本語オーディオガイドを借りることができますので、ぜひ借りましょう。借りずに現場だけを見ても、何が何だかよくわかりませんので。
施設の説明、生存者たちの体験談やクメール・ルージュの刑執行人の証言などが収録されています。
キリングフィールド
入館料:US3ドル(オーディオガイドのレンタルは無料)
入場時間: 7:30~17:30
プノンペンの「トゥールスレン」&「キリングフィールド」観光ツアーまとめ
今回は、プノンペンにある「トゥールスレン」と「キリングフィールド」の観光ツアーをご紹介しました。
首都のプノンペンにある「トゥールスレン」と「キリングフィールド」はカンボジアの負の歴史を見ることができる場所。
行くと、悲しい気持ちになるかもしれませんが、実際に40年ほど前にカンボジアでは信じられないような政治・虐殺が行われていたのです。
一度、見に行ってみてはいかがでしょうか?
キリングフィールドはプノンペンの市街地から約15km離れたところにあり、行きにくいので、トゥールスレンと一緒のツアーで行くのがいいでしょう。
予約はホテル、街中の旅行代理店もしくはインターネットで出来ます。英語が話せない人はインターネットで予約がするのがおすすめ。
現地では説明文が書かれた看板などありません。見るだけでは何が何だかわからないので、見学の際にはオーディオガイドを借りるようにしましょう。(オーディオガイドのレンタルはトゥールスレンはUS3ドル、キリングフィールドは無料)
現地ツアーに参加して、トゥールスレンとキリングフィールドに行く方はぜひ参考にしてみてください。
以下の記事では、他にもプノンペンのおすすめ観光スポットをご紹介してますので、あわせてご覧ください→初めてのプノンペンで行きたいおすすめ観光+役立ち情報8選